サステナまいにちを立ち上げた理由(ONOBORI3)
2021.12.01
地球環境を未来に残すため「SDGs」や「サスティナブル」といった考え方が注目されています。
言葉としては一般的になりましたが、わたしたちの生活にどう関係するのでしょうか。
プラごみを減らすこと? エコバックやマイボトルを持ち歩くこと?
環境は大切ですが、慣れ親しんだライフスタイルを変えるのはちょっとおっくうかも。
でも、心地よく暮らすためのエコだったら。 何だか気軽にできる気がします。
「サステナまいにち」は、そんな日々の暮らしに生かせるアイデアや商品、エコ習慣を紹介するサイトです。
「環境問題」を身近に親しみやすく
編集長は、ビール大好きコピーライターの竹内躍人(ヤクト)さん(32)。
群馬県前橋市を拠点にコピーライティング、イベント企画、メディア事業、PRなどを手掛けつつ、ビール醸造家になるべく活動中。
来春には念願のクラフトビール醸造所「ルルルなビール」を開業予定で、現在は空き店舗を改修した醸造所とタップルーム(バー)の準備を進めています
ヤクトさんは青森県出身。高崎経済大学(群馬県高崎市)在学中から前橋市のまちづくりに関わり、さまざまな地域活性化プロジェクトを企画してきました。
「まえばし×ふくしま部」のイベント「300人前の!前橋芋煮会」、投票後のデートを提案するフリーペーパー「TOHYO DATE(トーヒョー・デート)」―。
復興支援や若者の投票率低下などの社会課題を、親しみやすいネーミングでとっつきやすく、ポップなデザインで表現する手法を得意としています。
「きっかけは、アル・ゴアさん(アメリカ 元副大統領でノーベル平和賞受賞)の著書『不都合な真実』でした。高校時代にニュースの特集番組で知り、そこで描かれた地球温暖化や気候変動の深刻さに衝撃を受けました。
東北出身の自分にとって、原発に関わるエネルギー問題は身近で難しい社会課題です。でも、向き合わないままでは解決もしません。『じゃあ、自分にできることって何だろう』―自然とそう考えるようになりました」
楽しさ、心地よさが行動につながる
高崎経済大学経済学部に進学後は、社会課題を経済活動で解決する仕組みを学ぼうと「CSR(企業の社会的責任)」を専攻。
在学中は環境問題を考えるサークルを立ち上げ、教科書の古本販売や文化祭での自転車発電ライブなど、学生が参加したくなるアイデアを次々と企画しました。
「自転車発電ライブは、自転車をこいで1分間発電できたら、サークルの告知ができるというイベント。ポイントは、参加者を『サークルを掛け持ちしている人』に絞ったことです。
環境問題に興味がある人だけに偏らず、関心がない人も参加したくなる仕掛けにこだわりました。ただ自分のマネジメント力が足りず、サークル自体は長続きしませんでしたが(笑)。
でも、その時の経験から『楽しさや面白さがあるから人は動く』と分かりました。サスティナブル(持続可能)であることは、たぶん心地よさや楽しさとイコールなんです」
エコを押し付けないコミュニケーションを
ヤクトさんの中で、ビール醸造も「サスティナブル」の理念にリンクしています。
電力はできるだけ再生エネルギーを使い、麦汁を造った後の大麦麦芽(モルト)かすは廃棄せず飼料に。
ビールは店内で提供するほか、「グラウラー」という専門ボトルで量り売りする予定。缶やびんなどのごみを出さずに、ビールを何度でも楽しんでもらう試みです。
「大切なのは、押し付けではなくコミュニケーション。価値観を伝える手段として、プロダクトの力は大きいと思います。自分のつくるビール、そして『サステナまいにち』を共同編集する『エアムーブ住宅』は、環境に優しいものづくりを目指す点で共通しています。
僕たちが伝えたいのは、いまの暮らしを心地よくするためのアクションです。小さな心がけの積み重ねで、社会はもっと豊かにできる―。サイトを通じて、その思いに共感してもらえたらうれしいですね」
【略歴】竹内ヤクト(たけうち・やくと)/青森県むつ市出身。高崎経済大卒業後、コミュニティーFM放送局「まえばしCITYエフエム」に入社。イタリア・オルヴィエートでビール研修を経て、2017年にコピーライター「ONOBORI3(オノボリサン)」として独立。2022年には前橋市市街地でクラフトビール醸造所「ルルルなビール」を開業予定。
この記事を書いた人
- 「いまここ」エディター saki2018年、群馬に暮らす人の興味に応えるウェブサイト「いまここ」を開設。飲食店やイベント情報、「上毛かるた」の最新動向など、県内の“気になる話題”を伝えている。